今回はワールドカップ グループステージの歴史を調べました.
グループ最終戦が同時刻キックオフとなった原因や順位をくじ引きで決めたグループなど意外と知らない(?)グループリーグの面白い歴史がありました.
データを見る前に簡単に開催方式の歴史を見ておきます.
4チームのグループの場合,グループステージの試合結果の場合の数は各チームを区別すると勝ち・分け・負けの3通りを6試合行うので3**6=729通りです.
しかし,各チームの区別を無くして単純に勝ち点の組み合わせのみに注目する(0,3,6,9 と 3,6,0,9を同一とみなす)とグループステージの勝ち点の組み合わせは40通りになります.
以下は試合数の異なる1958年を除いて4チームのグループ(計105グループ)で勝ち点の組み合わせ40通りが実際に起こった回数を列挙した表です.
上の表からも分かる通り全勝で勝ち上がっているチームは31チームあります.
全敗で敗退したことのある国は33ヵ国でした.出場経験のある国が85ヵ国(※1)ですので多くの国が全敗での敗退を経験しています.
日本は初の本戦出場となった1998年フランス大会で全敗での敗退を経験しています.
ワールドカップの歴史の中で2勝1敗にも関わらずグループステージ敗退となった悲劇の国が1ヵ国だけありました.
それが1982年スペイン大会のグループ2に所属していたアルジェリアです.
以下のような順位表で西ドイツとオーストリアは第3戦を迎えることとなりました.(当時は勝利で勝ち点2)
アルジェリア・チリは前日に試合を終えておりチリは敗退が決まっています.
試合前の順位表
このまま終わると…
一度も勝たずにグループステージを突破したチームは6チーム(※1)ありました.
1986年にウルグアイ,ブルガリアがそれぞれ3位でグループステージを突破しています.
また,1998年には3分けのチリが勝ち点3でグループステージを2位突破しています.
イタリアとアイルランド・オランダについて面白いエピソードのあったので個別に紹介します.
試合前の順位表
試合後の順位表
2次リーグの順位表
第2戦後の順位表
第3戦後の順位表
以下のような順位表で理論上勝ち点2でグループステージを2位突破することができます.
1994年アメリカ大会グループEでは全チームが勝ち点4という珍事が起きました.
24ヵ国が出場の大会だったので各グループ3位から上位4チームが決勝トーナメントに進出できるのですが,その枠にも入ることができず,
結局 同グループから3チーム グループAから2チームが勝ち点4で決勝トーナメント進出を決めたのに対してノルウェーは1994年大会において勝ち点4でグループステージ敗退となる唯一のチームとなってしまいました.
1994年アメリカ大会(グループE)
今回はワールドカップのグループステージの歴史について調べてみました.
グループステージの突破率のデータに興味がある方はぜひこちらのページ(ワールドカップ グループステージ突破確率について)もご活用ください
ワールドカップに限らずグループリーグの突破率を計算したい方はグループリーグ突破確率計算機もご活用ください.
余裕があれば予選・決勝トーナメントやチャンピオンズリーグについても調べてみたいと思います.
ワールドカップのデータベース
大会別の成績など色々なデータを見ることができます.グループステージの開催方式などは主にこのサイトから調べました.
FIFA+
ワールドカップのアーカイブなどを見ることができます.登録なしで無料で当時の映像を見ることができますので興味のある方はぜひ見てみてください.
1982年のイタリアの試合はカメルーン戦以降の試合を全て見ることができます.(残念ながら西ドイツvsオーストリアの試合は見つけることができませんでしたが…)
2006 FIFAワールドカップ -ニコニコ大百科
意外と情報が豊富で驚きました.2006年以前は特によくまとまっているので見てみると面白いかもしれません.
使用したデータ
FIFA World Cup(1994-2014) -kaggle
FIFA World Cup(2018) -kaggle
FIFA World Cup(2022) -kaggle